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【UNFINITY】安価なゲーミングPCを提供する想いは子供たちの選択肢への貢献【代表インタビュー】

皆さんはUNFINITYというゲーミングPCブランドをご存じでしょうか。

2020年11月に立ち上がった同ブランドはBTO業界への後発にも関わらず、徐々に業績を伸ばし続けていきます。

最近ではAmazon売れ筋ランキング上位を独占していることも珍しくないほどの成長を遂げました。

筆者は仕掛け人であり同ブランドのオーナーである新田氏にコンタクトを取り、オンラインにてインタビューを行いました。

一体なぜ後発にも関わらずこれほどまで支持を広げることができたのか、どのような目的でUNFINITYが出来上がったのか、新田氏のキャリアに迫っていきます。

筆者は日本のPCゲーム業界に貢献を夢見るUNFINITYを応援しています。
誓って、有償依頼でもなんでもないインタビュー記事です。

UNFINITY関連リンク

海外の通販サイトを眺めていたら浮かんだアイディア

kanbatch

はじめまして!
インタビューに同意していただきありがとうございます。
今回はよろしくお願いします。

新田:初めまして、UNFINITYの運営会社であるアンフィニティ合同会社で代表をしています。新田拓海です。本日はよろしくお願いします。

kanbatch

ではまず最初にブランドの成り立ちや簡単な紹介をお願いできますでしょうか?

新田:UNFINITYブランドの成り立ちには、私の幼少期からのゲーム体験が関係しています。自分は9歳辺りからPCでゲームを始めて以来、FPSやTPSといったジャンルで10年以上プレーしていました。16歳の時に初めてプロからトライアウトの誘いをもらうことができて、その時は結局家庭環境などゲーム以外の理由でプロにはなりませんでした。その後20歳の時に別のゲームでプロを目指すか真剣に考えたことがあって。プロゲーマーですからやるからには世界一を狙っていくべきだと思っていましたが、当時既に自分にはその才能も実力もないことを理解していました。

kanbatch

お若い頃からかなり先の事を考えて行動されていたんですね。

新田:それでもやるかどうか悩んでいるときに、趣味で海外の通販サイトを眺めていて、旧世代のサーバー向けCPUと今でも製造されているマザーボードを搭載したゲーミングPCを作れば、同性能なら中古品と大して変わらない価格で新品のゲーミングPCを販売できるのではないか?というUNFINITY製品の最初のアイデアが生まれました。そして約半年間の調査・検証の後、どうせ自分があえてプロをやる理由もないしこっちをやろうと決意して販売を開始しました。

kanbatch

旧世代のサーバー向けCPUと、型落ちの新品マザーボードを搭載することで安価にゲーミングPCを生産できるように。
たしかに高額なBTO製品とは違ったアプローチですな。

UNFINITYが低価格で新品のゲーミングPCを販売することにこだわっている理由とは?

kanbatch

ゲーミングPCを売るとなると、最近ではTwitter上で組立代行をしたり、あるいは中古品販売などいくつかの選択肢があったと思います。
そんな中でどうして低価格で新品のゲーミングPCを販売することにこだわっているのでしょうか?

高額すぎる業界への不信感

新田:そもそも自分は現在の業界をそこまで良く思っていなくって。自分が特によくないなと思っているのがとにかくPCが高すぎることなんですよね。これは最近の世界情勢的にも仕方ないことではあるんですが、最近は自分のときよりも更に高くなってミドルレンジでも15万とかエントリーモデルでも9万円とかします。それを小さい子どもや、小中学生に買い与えられる親って一体全体の何%なんだって。それに自分は初めてのPCにそんな高いものを必ずしも買い与える必要はないと思っています。

kanbatch

分かります分かります。
実際、PC初心者の人ってよく分からないから良いものを買おうとしちゃう人が多いんですよね。
ハイスペックなPC持ってるのに、やってる事はそんなにスペック必要ない人を見かけることは少なくないです。

必要なパーツのみ負担のアップグレードサービス提供

新田:自分はゲームばっかりやっていた人間ですけど、子どもには本人が望めばできる限り多くのことをやらせてあげるべきでしょう。サッカーも野球もバスケもピアノもゲームも全部色々やったうえでゲームにはまって、もっとやりたいと思ったらその時に必要なパーツを買い足すとか。独自規格のものを使っていない弊社製品ではそれも一つの特長ですし、実際にパーツ代金と送料のみの負担でアップグレードするサービスなども行っています。

kanbatch

それはかなりありがたいサービスですね。
アップグレードしてもらえるのであれば、初めてでも安めのゲーミングPCに手を出しやすくなりますね。

ゲーミングPC中古市場が生み出す悪循環を問題視

新田:少し話がそれますが、更に酷いのはそれを買えない人は中古品を探すじゃないですか。ドスパラさんやTSUKUMOさんの店頭で中古PCを選ぶならまだましですけど、大半の人はメルカリなんかで探す。そういったところで出てくるゲーミングPC(笑)って本当に信じられないほど品質が悪いんですよ。中身は10年以上前とか、8年前とかのものをSSDだけ新品にして、「信頼性高いですよ!!」とかいって法外な価格で売りつけている。これは数年前から変わっていません。これでは次の世代を担うはずのプレイヤーが育つ土壌として適切ではないと思います。少なくとも、もっとよくできると思う。

kanbatch

安価なものを求めた結果、陥ってしまう悪循環が中古市場にあるのですね…

PCスペックが足枷となってしまう未来のプロゲーマー創出への貢献

新田:自分が最初にプロからトライアウトのお誘いを頂いたのは16歳の時なんですが、リアルスポーツに限らずesportsでも世界で戦える選手を目指すのであれば最低でも小学生のときにはPCゲームに触れていないと厳しいと思います。実際、数年に一度くらい日本が国際大会で結果を残すこともあり徐々に強くなってきているとは思いますが個人的にはこの辺が頭打ちになっているのではないかなと思っています。その原因は、海外だと家庭にPCでゲームをすることに抵抗がないことや、幼稚園のころからマウスとキーボードを使ってゲームしてました!みたいな選手がごろごろいる。そしてただゲームをするだけではなくPCスペックもある程度ちゃんとしたものを使わないと後から才能の天井が早く来てしまう。ゲームってある程度のPCさえあればリアルスポーツなどと違い、自分一人で無限に強くなっていけるのに、それってすごい勿体ないじゃないですか。

kanbatch

まずは土壌から日本のPCゲーム環境を変えたいというわけなんですね…!

次の世代の選択肢を増やしたい想い

新田:それに自分がずっと覚えていることがあって、16歳だった当時世界でもトップ3に入るチームに所属している選手とマッチして試合する機会があったんですよね。その時に当時使っていたPCが落ちてしまったんです。予算がなかったので、6万円くらいで組んだPCに5000円くらいで中古で買ったグラボを付けて使ってたんですね。その時のことは今でもずっと覚えています。それもあって、次の世代を担う子供たちが使うPCとしてより良い選択肢を作れたらと思っていました。また弊社の製品より上の価格帯では十分高品質なパソコンをドスパラさんやフロンティアさんなどが販売しているので、弊社でそこに勝負を仕掛ける気はありません。自分たちにしかできないことをしようと。

kanbatch

ご自身が過去に味わった苦悩を後の世代に残さない志…素晴らしいですね!

UNFINITYで取り扱っているパーツの品質について

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現時点でも強いこだわりを感じますが、製品についてはいかがでしょうか。
製品価格が安いため、使っているパーツの品質などについても気になる方は多いと思われます。

パーツは削りすぎずにコスパの良いもの選んでいる

新田:先にもお話した通り、ゲーミングPCには信頼性が性能と同じかそれ以上に重要だと考えています。例えばSSDは以前はSATAでしたが、最近は全てM.2になっていてメーカーも信頼性の高いしっかりしたチップのものを使っています。何かあったときに対処が難しくなるのであえて1社限定にはしていません。もっと安くしようと思えば、言い方は悪いですが信頼性の低いメーカーのものを使うことで多分1000円~2000円くらいは安くなると思います。それは結構誘惑として大きいんですが、色々テストした結果満足な性能と信頼性ではないと判断したため搭載していません。電源ももっと安くできたりはするんですが、今は日本で調達したものを使っています。電源も信頼性にかなり関わってくるところなので自分も日々勉強中で、今はまだ日本で多くの販売実績があるものを中心に選定しています。製品価格が価格なだけにパーツにかけられるコストにはそれなりに制限はあるのですが、その中で最もコストパフォーマンスが高いものを選んでいるといった感じでしょうか。安くするために削ってはいけない部分まで削っているということはありません

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コストパフォーマンスはもちろん重視しているが、信頼性を失ってまでのコスト削減はしていない。というわけなんですね。

しかしコスパの良さが売りなだけのブランドではない

kanbatch

ケースにも強化ガラスが採用されていたり、独自開発という冷却ファンもすごく品質が高くて驚きました。
例えばこれをもっと簡素なケースにするなど、コストカットできるんじゃないかなと素人の私でも感じました。
それをしないのはなぜでしょうか?

新田:これは従業員にもよく言っているのですが、ただ「コストパフォーマンスが高い」だけのブランドにはならないようにしようと。理由は二つで、初めてゲーミングPCを買う人をターゲットにしているんですから、購入して自宅に届く間はすごくわくわくして待っていると思うんです。

kanbatch

自分もワクワクしながら初めてのパソコンを買った覚えがありますね!

そんな時に雑な梱包でかっこよくないPCが届いたらがっかりするじゃないですか。実際に弊社でも似た価格帯の製品をいくつか買ってみたことがあったんですけどどれも本当にひどいんですよ。ケースの外箱に入っているだけならまだましで、中にはアリエクで買ったときの段ボールってわかりますかね?ゴミみたいな臭いと外見の段ボールの中を開けたら梱包材もばらばらになっている・・・みたいな。

kanbatch

それはせっかくのワクワク体験が寂しくなってしまいますね…

感動してもらえるような製品を目指して

私たちはこれからゲームを始める人が安心して手に取っていただけるブランドであることも意識しています。だからこそ箱や梱包、説明書などもしっかりして、かけられるコストが少ないことに甘えずに、感動してもらえるような製品を作っていこうと。なので最下位の4万円台のモデルでもケース周りの仕様は変わりません。もっとシンプルなモデルが欲しいという声を多くいただくのであれば作ろうかな、といったくらいですね。手に取ったとき、家に届いて開封して設置して、電源を入れたときに「すげえ!超かっこいい!」と思ってもらえるような製品でありたいと思っています。

kanbatch

聞けば聞くほど新田さんがかなりのこだわりを持って製品を作っているかがわかりますね!

UNFINITYがインタビューを通して読者に伝えたいこと

kanbatch

強いこだわりを持っているからこそ、支持を広げているのだろうということがわかりました。
こういったメディアに出るのは始めてとのことですが、一体なぜ今回インタビューを承諾させていただけたのでしょうか?

ノウハウを培い、成長を遂げた

新田:あえて言うとすれば、自分の中である程度納得のいく製品になったから、でしょうか。最初は当然ゲーミングPCを販売するノウハウなどもなかったので手探りで少しづつ製品づくりをしてきた経緯があります。とにかくマイナーチェンジを繰り返しながら製品の販売を続けてきて、もちろんまだまだ手を加えたい部分はあるんですが、世に大々的にアピールしても問題ないくらいの品質のものになったのではないかなと。今までがαテストだったとしたらβテストくらいにはなったかなと。

実際に友達の紹介で買ってくれる方や、子どもに一人一台買い与えてあげたいけど無理なのでとりあえず1台買ってから2台目を買ってくださった方などのお声をちらほらと聞くことが増えてきました。

kanbatch

なるほど。
実際に手探りで続けてきたとのことですが、特にここが難しかったなどはありますでしょうか?

新田:うーんそうですね、最初期はそれこそ色々な問題がありましたね。発注したパーツが全然違うとか、条件を満たしていないとか、パーツが税関で止まって東京まで片道3時間かけて行って納期に間に合うように帰ってきてから組み立てるみたいな・・・ただ最近ではそういった問題はほぼ起こらないようになってきました。ノウハウが蓄積されてきたほか、発注先もある程度固定化されているので向こうの担当者とやりとりがスムーズになったり。最近は発注数もかなり増えて、弊社専用のカスタムBIOSも用意していただいています。

製品コンセプトを多くの人たちに知ってもらいたい

新田:メディアに出てきたもう一つの理由にもなりますが、最近一番感じているのは伝えること、そしてこのままのやり方で販売することへの限界ですね。

kanbatch

伝えることというのは製品の伝え方などで問題があるということでしょうか?

新田:それもあります。弊社の製品コンセプトってぶっちゃけわかりづらいじゃないですか。「サーバー向けのCPUと旧世代のマザーを使うことで安くできる」ってこれだけだと詳しい人以外はピンとこない。しかもより悪いのは、弊社の製品をメルカリのゲーミングPC(笑)と同じものだと認識されてしまうことがあって。ゲーミングPC(笑)のアンチテーゼとしてUNFINITY製品は生まれたはずなのに、同じものとして認識されてしまう。これはすごい歯がゆいですね。

CPU周りに関しても、CPUってPCの中では唯一(通常使用においては)経年劣化で壊れたり性能が落ちたりしないパーツなんですが、普通はそんなのわかりませんから。

kanbatch

確かに初めて買う人や親御様にはなかなか伝わりずらいですよね。

自分たちから情報発信することで不当なレビューによる誤解を防ぎたい

kanbatch

実際にここまでのことを理解して買っている層は極一部だと思います。
現在はどんな方が買っていらっしゃるのでしょうか?

新田:Amazonの売れ筋ランキングの経由だったり、後は商品ページとレビューを見て問題なさそうだ。と思ってご購入していただいているようです。ただ、Amazon等のECサイトの問題点としては、いくら商品ページの改善をしても結局はレビューによって決まってしまうというのがあって、そこで問題になってくるのがいやがらせのレビューなんですよね。

kanbatch

Amazonはどうしてもレビューを強く参考にして
人が多そうですよね。

新田:そうですね、今までAmazonで中古PCを販売していた業者やレビュー操作してぼった値で出している業者など色々な業者から嫌がらせが届きます。最初期の頃は電話サポートには対応していませんと書きつつも来たら自分が取っていたんですが、嫌がらせのような電話が多く届くようになり現在は完全に取っていません。それにAmazonは買わなくてもレビューを投稿できるので、それで無限に悪いレビューを投げられてそこから誤解が広まってしまうのは嫌だなと。なので私たちがどういった想いで製品を日々作っているのか、お客様のサポートをしているのかなどを自分たちで発信していくことは大切だと思い、今回はこういったインタビューを受けることにしました。

これからのUNFINITYが取り組んでいきたいこと

kanbatch

これからのUNFINITYさんの取り組みはPCの販売に特化していくのでしょうか?
ありがちなのはプロチームのスポンサードなどだと思いますが、この辺はどうでしょうか?

新田:弊社としてはあくまで、これからゲームを始める人がより一歩を踏み出しやすいように、その間口をもっと広げていきたいと思っています。その第一弾製品として現行のUNFINITY製品を販売しましたが、今後は別の施策も予定しています。実際の製品で試遊してから購入できる場所も作りたいですし、海外にあるようなPCバン(※安価なネットカフェ)のようなやり方でもいいと思っています。また、サポートに関しても近い内に電話窓口も設置できるのではないかと。それに、国内でここまで弊社の製品に需要があるということは海外の新興国でも需要は大きいと思うので海外進出も予定しています。まずは年内に海外の最初の拠点である「UNFINITY ARENA BANGKOK」の開設を目指しています。ただそれで製品やサポートの質が悪くなったりしても困るので色々模索しながら進んでいきたいですね。

kanbatch

なるほど、あくまで既存のパソコンメーカーとは食い合わないと?

新田:そうです。自分がお客様側に立ったときに弊社で買っていただくメリットが見いだせないのでやりません。

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わかりました。
では最後にメッセージなどありますでしょうか?

新田:弊社は創業してから約2年半しかありません。そのような無名メーカーのものをご購入いただいたお客様には本当に感謝しています。また、私はあらゆる製品の中で弊社製品が最上の選択肢だとは思っていなくて、やはりできるだけ良いものを使えるのであればそっちを使うべきだと思います。自分のおすすめはフロンティアさんで、もしもっと予算がある方はそちらを見ていただいたりしてもいいと思います。

しかし、予算がない人が7万円以下で買うことができるゲーミングPCという枠組みの中では間違いなく弊社製品が世界で一番だと、そう胸を張って言える製品にはなっていますのでもしそういった方がいらっしゃれば弊社製品を検討していただければ幸いです。これからもより多くの皆様にご満足いただける製品を作れるように邁進していきますのでよろしくお願いいたします!

kanbatch

ありがとうございました!

あとがき

新田さんとの出会いは偶然で、AmazonにてゲーミングPCを検索した際にすごくコスパの良い製品ですごい!と思ってコンタクトを取ったのがきっかけです。

僕はPCを自作して組み立ててているのですが、BTOのパソコンは自作よりも1台あたり3~5万円くらい利益得るイメージを持つためにBTO自体を快く思ってなかった人間です。

UNFINITYの製品を見た時に、これ原価から+1万も利益ないぞ…下手したら数千円…さすがにこれでは会社経営難しいのでは?何か力になれることはないかと行動しました。

新田さんは人柄も良く、インタビューにも快く快諾してくださいました。

想いを同じくする者同士、インタビュー以外にも話が盛り上がってしまって私も楽しいひと時を過ごさせていただきました。

UNFINITYさんのさらなるご健勝を祈っております。

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この記事を書いた人

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多趣味な何でも屋です。
主に後続の人が苦労しない様にノウハウをまとめることを好みます。
たまにYoutubeでも解説動画を投稿してます。

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