タコピーの原罪はおはなしの重要性を説いた道徳作品【レビューと考察】

タコピーの原罪を読んだ感想(レビュー)と考察を残しています。

一緒に語りたいファンの方や、作品を深く知りたい方向けに記事を作成しました。

目次

タコピーの原罪を読んだ感想・レビュー

正直に言わせてもらえば、最初にタコピーの原罪を読んだ時は「ひぐらしのなく頃に」と同じ印象を受けました。

ひぐらしが好きそうな層が好きなんかもなー、サブカル系?おやすみプンプン?くらいにしか思ってませんでした。

僕は前半はそこまで好きじゃないんですけど、後半の展開が考えさせられる内容で、気づいたらタコピー好きになってました。

(逆に自分に勧めてきた友達は思ってたのと違うって逆に冷めてましたw)

前半が好きという人もいれば、後半が好きという人もいるので割といろんな人におすすめできるのかなと思います。

この先はネタバレを含むので、読んでからの閲覧をおすすめします。

少年ジャンプ+
[第1話]タコピーの原罪 - タイザン5 | 少年ジャンプ+ <完結済み>地球にハッピーを広めるため降り立ったハッピー星人タコピーは、笑わない少女しずかちゃんと出会う。どうやらその背景には学校のお友達とおうちの事情が関係して...

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表現がすごかった

【タコピーの原罪】光のない右目、光のある左目
光のない右目、光のある左目

個人的にすごく好きな一枚のシーンを取り上げます。

しずかちゃんの目を見て欲しいのですが、光のない右目と光のある左目の対比が行われてます。

何も期待してない絶望と、子供らしさの希望をここで表しているのではないでしょうか。

ハッピーについて考えさせられる作品だった

タコピーの原罪は考察するシーンがとても多い作品でした。

その理由としては、人間らしい悩みについてタコピーと言う無の存在がアプローチしているからではないでしょうか。

タコピーはしずかちゃんを笑顔にしたくて奔走しますが、笑顔にしたいという独りよがりの行動を続けてしまいます。

その奔走している様子が作品を飛び越えて、僕たちの生活におけるハッピーへのアプローチへと考えさせられるんですよね。

「人を助けるとはどういうことなんだ」「本当に助かろうとしているのは自分なのではないか」なんて考える人が多いと思います。

人に善悪が存在するのは当たり前という考え

【タコピーの原罪】善悪について考える
善悪について考える
【タコピーの原罪】悪い子なのに良い子
悪い子なのに良い子
【タコピーの原罪】人の善悪を理解したあずま君
人の善悪を理解したあずま君

人はそれぞれ善悪を持つことを、あずまくんがタコピーに教えているシーンです。

このことに気が付いて生きている人間は以外と少ないかもしれません。

誰もが善悪の2極で受け止めがちになります。

「あの人はいい人で、この人は悪い人で、この人は…」なんて〇か×かで人はシンプルに考えたがるものなんです。

「あの人はこういう良い面もあるけど、そういう悪い面を持つよね。その人は…」なんて踏み込んで考えることはめんどくさいんですよね。

漫画だからこそ過剰な表現はありますが、人の本質を教えて良い面と悪い面どちらも人間は持つのだということをタコピーだけでなく読者にも伝えてくれた良いシーンですよね。

ママのまねっこ

【タコピーの原罪】ママのまねっこ
ママのまねっこ

自分が子供の時に親にされて嫌だったことを、自分が大人になったら子供にしている人は以外と多いです。

虐待の連鎖はこうやって生まれていくのでしょうね。

まりなちゃんの暴力性は親譲り設定なのだとわかった瞬間でした。

こういうことを何気ないシーンにぶち込んでくるのなかなか効く…

助けてあげようなんて思うのが違ったんだ

【タコピーの原罪】助けてあげようなんて思うのが違ったんだ
助けてあげようなんて思うのが違ったんだ
【タコピーの原罪】わからなかったしずかちゃんの気持ち
わからなかったしずかちゃんの気持ち

僕らは困っている人を見かけたら「助けてあげたい」という気持ちになりますよね。

ですが、人を助けるってどういうことなんでしょうね。

作中のあずまくんはしずかちゃんを助けてあげることで、自分の心を満たしているようでした。

誰かを助けてあげる行為に、他の何かが付随しているようでは真の救済はありえないということでしょうか。

「助けてあげる」という一方的な救済では意味が無いということでしょうか。

貧しい人達に井戸を作ってあげても、井戸が壊れたら修理できないという話を思い出します。

独りよがりの救済ではなく、困ってる人ときちんとおはなしをしてどうすべきなのか考える必要があるのでしょう。

凄く難しい問題だと思いますが、誰かに手を差し伸べる時にこのシーンを思い出せば適切な対応ができるかもしれませんね。

【タコピーの原罪】独りよがりなタコピー
独りよがりなタコピー

『殺す』という行動そのものの意味を理解していないにも関わらず、独りよがりでまりなちゃんを助けようとするタコピー。

あずま君のお兄さんがターニングポイントだった

【タコピーの原罪】あずま君のお兄さん
あずま君のお兄さん
【タコピーの原罪】お兄さんとおはなしするあずま君
お兄さんとおはなしするあずま君

あずまくんのお兄さんの行動からこの物語が変わっていきます。

ハッピーになる人は「おはなし」の重要性が分かっているということなんでしょうか。

そしてこのハッピーはあずま君へ、タコピーへと連鎖していきます。

どくだみの花言葉

【タコピーの原罪】どくだみ
どくだみ

どくだみの花言葉は「自己犠牲」です。

タコピーの自己犠牲で解決したお話なので、ハッピーには自己犠牲が必要?ハッピーは他者の自己犠牲で成り立ってる?ということなんでしょうか。

知った時はタコピー…お前…ってなりました。

【タコピーの原罪】やり直しのないぼくの本当の物語
やり直しのないぼくの本当の物語

タコピー自身は本当にやり直しなかったですよね。

2人を救ったのは特に何の効果もない土星ウサギの声が出るボールペン

【タコピーの原罪】土星ウサギの声が出るボールペン①
土星ウサギの声が出るボールペン①
【タコピーの原罪】土星ウサギの声が出るボールペン②
土星ウサギの声が出るボールペン②
【タコピーの原罪】土星ウサギの声が出るボールペン③
土星ウサギの声が出るボールペン③

「土星うさぎの声の出るボールペン」ってなんやねん…と毎回思いました。

その名の通り、土星ウサギの声が出るだけのボールペンで、土星ウサギの声に何かの効果があるわけでもなさそうなので実質ただのボールペンなんですよね

でもこれ、仲直りリボンとかの特殊な効果があるハッピー道具じゃなくて、意味わからん特になんの効果のなさそうなボールペンが2人の仲を取り持った?と考えると感慨深いです。

ハッピー道具は色々あったけど、道具の効果なんてどうでもよかったのかもしれません。

個人的に好きなシーンとか

タコピーの本名は「んうえいぬkf」

【タコピーの原罪】んうえいぬkf
んうえいぬkf

タコピーの本名は「んうえいぬkf」

だからタッセルってなんだよ!!

【タコピーの原罪】タッセルってなんだよ!!
タッセルってなんだよ!!

「だからタッセルってなんだよ!」このシーン、ボボボーボ・ボーボボっぽくねーかとか思ってたら描いてくれてる人がいました。

ある意味1番の名シーンかもしれない。

クソコラに使われる「出して」シーン

【タコピーの原罪】道具出して
道具出して
【タコピーの原罪】わかんないっピ
わかんないっピ
【タコピーの原罪】足蹴りされるタコピー
足蹴りされるタコピー

怖いタコピー

【タコピーの原罪】サイコなタコピー
サイコなタコピー

あとがきと学び

僕はタコピーの原罪を読んでこの作品が心に残る名作であると感じました。

現代の道徳的な価値観を考察させてくれる作品として評価しています。

人をハッピーにさせるためには自己犠牲なしでは成し遂げにくいでしょうし、人を助ける方法に一つの答えを学ばせてもらったように思います。

この作品が多くの人にハッピーをもたらすことを心より願っております。

【タコピーの原罪】涙のタコピー
涙のタコピー
【タコピーの原罪】バイバイ
バイバイ
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この記事を書いた人

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多趣味な何でも屋です。
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