【劇場版:輪るピングドラム】10年前とはまた違った見方もできるかも【考察と感想】

劇場版「輪るピングドラム(RE:cycle of the PENGUINDRUM)」[前編]君の列車は生存戦略[後編]僕は君を愛してる、の感想と考察を記事にしてみました。

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劇場版Re:Cycle輪るピングドラムについて

劇場版:輪るピングドラム[前編]君の列車は生存戦略
©2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン
劇場版:輪るピングドラム[後編]僕は君を愛してる
©2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン
RE:cycle of the PENGUINDRUM
  • [前編]君の列車は生存戦略
  • [後編]僕は君を愛している

映画は前編/後編の2部構成

劇場版の輪るピングドラムは前編と後編の2部構成になっています。

アニメ本編を見てから、映画を見るのがおすすめでしょう。

しかしながらアニメを見ていない方でも楽しめる内容になっているため、映画から見るのもアリだと思います。

著者はAmazonVideoを主に活用しています(‘ω’)

考察とか感想

以降はネタバレを含むため、劇場版前後編の鑑賞後の閲覧推奨です。

正直に言ってしまえば、物語が劇的に変わるかもしれないと考えていたため少し物足りなさを感じた、部分はありました。

前編・後編とアニメで放送された部分の使い回しで、新しい部分なんかは2割も無いんじゃないかと思われます。

おそらく映画が放送されるからといって気合いを入れてアニメを見返した人、全くの別物だと思って期待している人ほど落胆してるようにSNS上で見られましたね…

しかしながら、それでも輪るピングドラムは素晴らしい作品であると再確認できました。

僕が最後に輪るピングドラムを見たのは放送していた当時約10年、最後に見直したのは8年くらい前になると思います。

そんなにも前のことですから、また違った視点で見ることができる新鮮さを味わうことができましたね。

また、演出や表現などは本当にいい作品ですね!

やくしまるえつこさんの『僕の存在証明』を初めて聞いたときは涙が出ました。

「僕はあの列車に乗る」というフレーズはちょっとずるいですよ…

考察について

輪るピングドラムの考察は難しく、多くの意見が取り交わされています。

その理由は、『表現が抽象的』で『結論が存在しない』からだと僕は考えます。

愛?生存戦略?何者にもなれないってどういう意味?呪いって?

物語で語られるこれら主要な用語は抽象的です。

さらにキャラクターの境遇と混ざりあって、受け取る側に考える・感じ取る余地を生み出します。

それらは自分の過去の記憶や現在の自分とも比較や投影が行われるまでに影響が拡大していきます。

視聴者側がどう感じたのか、どう思ったのかという感想や考察部分は多岐にわたっていくでしょう。

私の述べる考察は必ずしも正しいものではありません

受け取った視聴者の数だけ考察はあると思うので、あくまで一例として読んでもらえればと思います。

前向きな存在証明

作中における「何者にもなれない」という言葉は、おそらく事件の加害者・被害者という枠に囚われて抜け出せないことを示しているでしょう。

『呪い』という単語も同様の意味だと思います。

劇場版のワンシーンで「陽鞠のお兄ちゃん」という存在証明を行います。

「教祖二世」として償いを考えるよりも、前向きな存在になれていますよね。

どんなに些細な存在証明でもその人が前向きになることが、きっと『何者かになる』ということなのでしょう。

10年の月日が経ったことで視聴者側の視点が変わった

多くの視聴者が10年前は存在証明のため生存戦略に勤しんでいたと思います。

10年の月日が経った今、多くの視聴者は『愛される側』から『愛する側』に変わっていると思います。

だからこそキャラクター全員の「愛してる」シーンが存在しているのでしょう。

このアニメのキャラクターは愛を求めています。

大人である多蕗先生やゆりさんでさえも愛を求めていました。

「愛してる」という言葉を必要としていたキャラクター達が、「愛してる」と言うのはおかしいのです。

作中でキャラクターが成長する要素はありませんでした。

変わったのはアニメ放送10年前の視聴者と、この映画を鑑賞している現在の視聴者しかないのです。

この10年という歳月で多くの視聴者が『愛する側』となり、『愛される側』へ『愛してる』という言葉?行動?をしようね、というメッセージ性があるのではないかと感じました。

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