エルデンリング、イライラのほうが多くない?エルデンリングの否定的なレビュー【ELDEN RING】

フロム・ソフトウェア制ゲーム、エルデンリング(Elden Ring)のレビューです。

主に問題点や不満点を挙げています。

まえがき・この記事で言いたいこと

今回はエルデンリングの否定的なレビューをします。
以下のような風潮があると感じているためです。

  • 「エルデンリングを楽しめない奴は人にあらず」

このレビューではこのゲームの問題点、好き嫌いが分かれる点を指摘することで「楽しめなかったよ~」という方の慰めの場になることが目的です。
あるいは今作の購入を考えている方の参考になれば幸いです。

「エルデンリング楽しかったよ~」という方を攻撃する目的はありません
他人のレビューや意見のせいで楽しかった作品が作品を楽しめなくなることは多々あるため、「エルデンリングが大好き!」という方はブラウザバックして下さい。

他人の体験を損なうことが私の目的ではありません

プレイ状況について

PC版でプレイかつ、攻略情報を見ずに完全に手探りで90時間でエンディングに到着しました。
現在は攻略情報を解禁して二周目中です。

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プレイ時間とエンディング到達証明
目次

エルデンリングの評価・総評

60/100点。

悪いゲームではないが、絶賛(メタスコアが90点↑で並ぶほど)されるほどではないと思います。

美術、音楽、演出が非常に良く、オープンワールドゲームとしての完成度が高い

しかし、根幹になるアクションゲーム部分は「高難易度」というよりは「理不尽」に感じることのほうが多い。

総じて、「オープンワールドゲームとしては楽しめたアクションゲームとしては楽しめなかったオープンワールド部分を楽しみたいなら他に良いゲームがいっぱいあるんじゃない?」が私の感想です。

不満点・面白くない部分も多くあり人を選ぶゲームで、これほど評価が付く、万人向けのゲームでは無いと思います。

エルデンリングの良かった点

否定的な意見のレビューを書くわけですが、もちろん良いところもあるので。

オープンワールドゲームとしての完成度の高さ

オープンワールドとしての完成度はものすごく高いです。

全体として美術がものすごく良く、地域ごとに全く違う景色を見ることが出来、冒険・探索の楽しみがあります。

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洞窟を抜けたらそこには神秘的な光景が

オープンワールドゲームにありがちなコピペダンジョンも無く探索する楽しみは常にありました。

演出の良さ

美術の良さに関係していますが、モーション(ドラゴンや異形系のもの含め)が非常に作り込まれていて、世界への没入感が高いです。

魔法や祈祷、技のモーション、演出も格好良くめちゃくちゃよく出来ていて、新しい戦技、魔法を覚えた際にいちいち使ってみたいと思わせる出来でした。

また、ボスのデザインも良く、登場ムービーもめちゃくちゃ格好良いです。

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前作より遊びやすく

今作エルデンリングは、ダークソウルシリーズより明らかに遊びやすく作られています

祝福(前作でいうところの篝火、回復ポイント)がかなりこまめに配置されており、ボス戦前には復活ポイントが設置されているため、他のシリーズほどボスへのリトライが面倒臭くなく、遊びやすくなっています。

また、オープンワールド化することで倒せないボスが出てきた際「他の地域を先に探索してみよう」という逃げ道があり、シリーズ初心者が”同じボスに八時間挑み続ける”タイプの苦行をせずとも良くなるよう設計されています。

ボリューム

私自身があまりアクションゲームが得意ではない、ソウルシリーズは一周クリア程度のやりこみ具合だったのもあるのか、攻略情報無しでは初クリアに90時間要しました。

10~20時間は見落としていた探しものを見つけるために駆け回っていたので実質70時間程度かもしれませんが、ボリュームはかなりあります。

エルデンリングの悪かった点、つまらなかった点、理不尽な点、不満点

「高難易度」がウリのシリーズですが、高難易度(習熟度でどうにか出来る)というより、理不尽(どうしようもないと感じる)と感じるものが多いです。

遊びやすくなったとはいえ

復活ポイントや祝福のこまめな配置によってボス戦直前からリトライできるようになったため、「ダークソウル」シリーズのように篝火からボスまでの2分程度のマラソンを繰り返すことは無くなりました

しかし、ボスに挑むまでに以下のような操作が必要です。

  1. 復活地点を選ぶ(祝福or復活ポイントどちらに復活するか選ぶ)
  2. 復活する演出(5秒程度)
  3. ボス地点までの移動(20秒程度)
  4. ボスがいる部屋の金色の霧をくぐる演出(5秒程度)
  5. ボスの演出ムービー(ある場合。スキップ可能だが)
  6. ボス戦開始

「ボス戦開始直後から再開させてくれても良くない?」と思います。
ただでさえ死にゲーでリトライが多発するのに、不必要な2~5の工程を何回もやるのは苦痛です。

これはダークソウル3→SEKIROでも解決していなかったので何れかの狙いはあると思いますが、私はマイナスポイントだと思います。

高難易度≠理不尽

戦闘面で理不尽に感じる要素が多いです。

「高難易度で死に覚えする、学習がある」は面白いと思いますが「理不尽で死ぬ」は面白くないです。

殴っても怯まない敵

「敵の攻撃を見切って回避して殴った!」と思いきや、敵が怯まずにそのまま殴り返してきます。

今作はプレイヤー側の攻撃モーションの後硬直が長めに設定されていて(体感)、殴って敵が怯まなかったのを確認して慌てて回避しても無敵の発生が間に合わず被弾します。

この瞬間が最高に理不尽に感じます。

サイズが自分の何倍もある大型ボスなら怯まないのも仕方ないかとは思いますが、自分と同じサイズの、人型の雑魚敵ですらこれが発生しがちです。
敵を殴りつけても敵が怯むかどうかは殴ってみるまでわからないのでランダムに感じますし、敵の攻撃を食らうとこちらはほぼ確定で怯み、HPの1/3以上のダメージを食らいます。

(この項を書くために急遽撮影してきた動画なので、プレイ中に感じたフラストレーションの全ては伝わらないと思いますが、こんな感じです。)

おそらく武器や魔術や技ごとにノックバック値のような内部ステータスがあり、一定以上蓄積させて初めてのけぞるような仕様になっていると思うのですが、これらは隠しステータスですし、相手が何発殴ったら怯むのか/怯まないのかはわかりません。

私はこれを食らってイライラするのが嫌になったので魔法使いでキャラを作り直し、引き撃ちを心がけてプレイしました。

やたらと速い敵のモーション

上の項に関連していますが「敵の連続攻撃が終わった→殴りに行こう!」と思いきやすぐに次のモーションが始まっていたりがしばしば発生します。

特にボスは攻撃後硬直が非常に短く怯まないので攻撃チャンスがわかりません。
分かってきても攻撃の隙間に1~2回殴るのが精一杯です。

ボス戦はこれが発生するため、NPCにターゲットを取らせて遠目から遠距離攻撃を繰り返すほうが速く安定していたので、私のプレイスタイルではこのゲームのミソであろう「敵の攻撃パターンを覚えて立ち回る」必要がほぼありませんでした。

ダメージ数値、ビルド間のバランス

ビルド間のバランスが悪いです。
具体的には「戦技」がものすごく強く、戦技以外のものを使う必要性が無いように感じました。

クリア後、攻略情報を解禁してRTAの動画を見たのですが、RTAでも戦技がメインの火力になっています。(武器を通常振りすることがほぼ無い)
(RTAは安定した強い攻略方法を使う。よほどの上振れを狙うチャートでない限りは。なので、攻略の参考になるはず)

「オフラインゲームなので好きなビルドで遊べば良い」とはよく言われる意見ではありますが、他のビルドをプレイしていて馬鹿らしくなるほど強いものはあってはいけないと思います。
プレイしている最中「あ、これ○○のほうが速いし強いな」とずっと脳裏によぎってしまうので。

エルデンリングでは知力(魔術)、信仰・神秘(祈祷)、筋力・技量(近接武器)と能力値があり色々なビルドが可能です。

しかし、知力60まで上げて最大強化した杖で魔法を連打するよりも、筋力・技量に振っていない、強化が進んでいない近接武器で戦技を撃ったほうが火力が出ました。
(ちなみに戦技は武器レベルに大きく依存するらしく、魔法使いだろうが脳筋だろうがほぼ同じダメージが出るようです。)

ラスボスも戦技連打で倒してしまいましたし、二周目のプレイではステータスを振り直してビルドを変えたりもしましたが、結局戦技に戻りました。楽なので。

「じゃあ、縛れば良いじゃん」という意見もあるかと思いますが、あちらが全力で挑んでくる高難易度ゲームでこちら側が用意できる一番の選択肢を取らないプレイは私は嫌でした。

戦技はレンジも火力にも優れているため、敵の攻撃を避けられなくても回復しながら戦技を連打していれば勝てるようなゲームバランスになっています。

逃げ回る大型ボス

ボスの行動はおそらくランダムで決定されています。

ボスの移動がプレイヤーより速いので、もし敵が大きく移動する行動を何回も行ってきた場合「せっかく接近したのにまた逃げていった!」が多発します。

せっかくボスの遠距離攻撃を避けて接近したのに、一撃も与えられず一分近く逃げ続けられるようなこともありました。

攻撃を与えられず逃げられ、接近するための労力を無駄にされた時、かなりの徒労感に襲われます。

大型ボスとカメラワーク

ストーリーを盛り上げる超大型ボスは多数登場します。

実際に戦うとなると足元まで駆け寄って足を斬りつけることになります。

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実際のプレイ画面は画像の下の部分のような感じで、下半身しか見えていないためにボスが何をしようとしているのか分かりません
モーションがわからないので攻撃の避けようがないのです。

でかいボスは何体も登場するので、そのたびにこのフラストレーションを味わいます。

当たり判定のわかりづらさ

3Dのアクションゲーム全般(特に近接系)の問題ですが、敵の攻撃の当たり判定がどのタイミングで発生しているのか、どのタイミングで終わっているのか、どこに発生しているのかが分かりづらいです。

特に敵の攻撃2~3発で死亡してしまうシビアな今作では「今の絶対避けたって!」が発生します。

「この攻撃は密着して右回りに歩いて避ける」のような、無敵を利用するのではなく当たり判定を利用した避け方が今作も存在しますが、敵の武器の先っぽだけなのか、あるいは持ち手の部分全部にあるのか、どこに当たり判定が発生しているのか分からない以上、そんな事はよほどゲームを研究していないと見抜けません

また、カメラワークのため(これも仕方のないことですが)、プレイヤーの武器が敵に命中するのかもわかりづらく、特に大型ボスは距離感を掴みづらいので「回避してから武器を振っても当たらない」が多発しました。

複数体ボス

中盤以降、序盤に登場したボスが複数体に増殖してボスとして立ちはだかります。

もちろん、ボスの攻撃を食らうとよろけますし、よろけ=敵にダメージを与えられず、敵の行動パターンはおそらくランダムなので、運に大きく依存します

2~3体の中型ボスに叩き伏せられ、転倒している最中に敵の攻撃モーションが見え、起き上がりすぐにローリング回避しなきゃ!と思いローリングを連打するも、絶対に無理なタイミングで絶妙な起き攻めが決まり死にます

不親切

めちゃくちゃ不親切です。
ヒントや導線が不足しています。(シリーズがそういう作風と分かっていて踏んだので自己責任ではありますが)

私は勝手に攻略情報をクリアまで縛っていましたが、無為に何時間も放浪していたので縛らなきゃよかったと後悔しています。

このあたりは今はネット上に攻略情報が溢れているのでそれ前提の不親切さなのかもしれません。

体験談1・鍛石3

物語の終盤で火力不足に悩み、左手の魔法の杖は+17程度まで強化していたのですが右手の近接武器は+8程度で止まっていたため、武器を強化しようと思い当たりました。

武器の強化素材である「鍛石」が足りず、坑道系のダンジョンで落ちるという事はプレイ中に分かっていましたが、まだ未発見の坑道系のダンジョンを探すのにものすごく時間を取られました。
(既発見の坑道ダンジョンから鍛石は落ちない)

洞窟系、坑道系のダンジョンは見つけづらい場所に配置されていることもあり、「鍛石3」というアイテムを探すまで10~20時間程度、すでに探索したはずの地域を何回も見落としがないか探索し直しました。

体験談2・学院の輝石鍵

また、学院と呼ばれるエリアに入るための鍵を見つけられず、ここをスキップして進むことで高難易度エリアから攻略するハメになったり、(後で見落としをしていたことに気づきました)導線やヒントが足りないです。

キーボード操作

私はPCでキーボードとマウスでゲームをするタイプの人種です。

ダークソウル2,3でこういったデバイスへの配慮が浅いことは承知してPC版で購入しましたが、今作はsteamでもほぼ同時期のリリース(実際はsteam版は8時間遅れのリリース)ということでキーボード操作へのサポートに少し期待していました。

しかし、タイトル画面から操作ガイドがパッド向けでした。

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最近のゲームであれば「起動時にパッドが刺さっているかチェックし、刺さっていなければキーボード用ガイドを表示」のような対応が主流だと思っていたのでこの扱いには驚きました。

また、キーボード特有なのかはわかりませんが「背中を見せながら走って逃げ、戦いたいタイミングでターゲット固定キーを押して反転」という操作をしようとした場合、敵が柱一本でも後ろに隠れているとターゲット固定してくれず、カメラを正面に移動するという作用が発生し、めちゃくちゃな向きにカメラが移動します。

馬の操作性の悪さ

ダンジョン以外では馬に乗って移動することができますが、操作性が悪いです。
(馬での移動は良いシステムだと思います。これだけ広いマップを徒歩は面倒なので)

向きを変えようとしたときに、若干前に移動しながら向きを変えるために落下死が多くなります。

「崖の下を覗いたらアイテムがあった!」とか「崖の下を覗いたら新たなエリアを発見した!」はこのゲームで多発する発見ですが、馬に乗ったまま崖の下を覗いたり、アイテムを取得しようとすると上記の仕様のため、落下死します。

復活ポイントから同じ場所に戻ってくるのに4~5分要するような場所もあり、面倒でした。

クラフトシステム

壺アイテム(投げ物)や樹脂(武器に属性付与できる消費アイテム)、状態異常回復アイテム、矢弾等を制作できるクラフトシステムですが、状態異常回復アイテム制作以外に全く使いませんでした

素材を消費してしまうというもったいなさと、素材集めのための面倒臭さ、またどのアイテムがどんな挙動をするか分からず、試すのも面倒という状況です。

回復瓶と同じで、「一回作っておいたら回復ポイントで所持数が全回復」で良かったのではと思います。

面倒くさいイベント・エンディング回収

エンディングは約6種類程度あるようですが、一度エンディングを見てしまうと、周回プレイ(レベルを引き継いで最初から)するまでエンディングが見られません。

そのためエンディングを全て見たい場合、エンディングの数だけ周回することになります。

終盤までの流れはほとんど同じなので、同じ景色を歩き、同じボスを倒す作業を4~5時間、エンディングの数だけこなす必要があります。

また、こちらは導線不足の側面が強いですがNPCイベントの回収も面倒です。
一周目で途中まで進めたNPCイベントは二周目ではリセットされているので、また1からこなす必要があります。

NPCイベントによっては途中からルート分岐し、結末が変わるので2~3周を必要とし、また共通部分を見せられます。
進行度によって取り返しのつかない部分もあり、効率よく全回収する場合は頭の中で複雑なルート構築が必要になります。

とりあえず普通に「エンディング後はエンディング前の世界に戻す」で良かったんじゃないでしょうか。

まとめ

冒頭でも言いましたが、私の感想は以下です。

オープンワールドゲームとしては楽しめたアクションゲームとしては楽しめなかったオープンワールド部分を楽しみたいなら他に良いゲームがいっぱいあるんじゃない?」

「周りが盛り上がっているから自分も楽しめなきゃならない」的な雰囲気があると私は感じていて、購入したが楽しめなかった方がいれば「確かにそうだよな」と共感できれば幸いです。

また、私はソウルシリーズは2,3,SEKIROを一周クリア程度なので、シリーズ愛好家等から見たらまた別の視点があるのかもしれません。

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